

もともと技術職が志望で、就職活動もその職種を中心に回っていました。東邦ガスの会社説明会に参加した時、女性社員が説明の場に立ち、工事現場に積極的に出ていくなど、男性と変わらず第一線で活躍されているとのことでした。この話は技術職に進む女性が少ない中で、私にとって大いなる励みとなったのです。男性と同じフィールドで活躍できる環境が整っている東邦ガスは、私には非常に魅了的に映りました。
入社して最初に配属されたのは、ガス管の工事に関する工法の開発を担う、設備技術部設備技術グループで、ここには3年在籍しました。グループの仕事は、現場の作業員がより効率的な工事を行えるようサポートにすることでした。具体的には、現状の工事作業内容を検証し、その結果をもとに新しい工具をメーカーに発注します。そして、完成した工具を現場の作業員に使用してもらい、成果を確かめるというものです。
とはいうものの、現場を知らずに効率的な工具を生み出すことなどできません。現場に顔を出し始めた時は、工事現場独特の雰囲気に圧倒されるばかりで、作業員の皆さんの中に割って入ることができませんでした。しかし、「そのまま萎縮していては現場のことなど、何も理解できない!」と思ったので、積極的に会話を交わし始め、心の距離感を縮めるよう努力しました。自ら現場の声を拾い上げて作られた工具は、私が「現場のために!」と、情熱を注ぎ続けていたこともあり、完成した時は感無量でしたね。現場の力になれたことが、何よりのやりがいであったと思います。
ひとつ忘れられない出来事がありまして、現場で工法の失敗があり、その機器の改善を担当することになった時のことです。数日経ったある日、私はある現場監督に「対応策はできたのか?」と聞かれました。まだできていない旨を伝えると、「早く対応しないから、現場が困り続けているんだぞ!」とものすごい剣幕でお叱りを受けました。上司に言われて取り掛かっていた仕事であり、自身の中で、気づかないうちに甘えがあったのだと思います。自分の仕事が現場とつながっている立場にあることを再認識し、これまで以上にスピード感のある仕事を心がけなければいけないと思いました。また、叱っていただけたことで、2年目の若手でも一人前として扱われているんだと、改めて仕事をする姿勢を見直しましたね。
現在までに3度の異動を経験しています。現在の工事総務グループは、育児休業復職後の職場です。周りには同じように子育てしながら頑張っている女性がおり、子供を産んでも働き続けやすい環境にあります。もちろん、仕事の質は落とさないために、今まで80%〜100%の力発揮だったのを100%〜120%にして、密度濃く、頑張っていますよ。
現在の仕事は、工事に関わるシステムをビルドアップさせることが目的で、システムユーザーである現場作業員の声を拾い、より使い勝手のいいシステムに変革させるべく、システムの製作者とやりとりをしています。現状、取りかかっているのが、地中に埋まったガス管を路線図のように把握できるマッピングシステムです。実は異動の知らせを聞いた時、「私がIT分野!?」と驚いたのですが、実務に就いてみると、今まで現場にいたからこそ掴めた感覚や知識が想像以上に活き、たどったキャリアに間違いがなかったと自身の経歴を誇ることができました。これまで男性の活躍フィールドとして見られがちな現場を経験して積み上げた実力は、入社8年が過ぎ、結婚、出産した今も失うことなく、むしろさらに積み上げられる勢いを感じています。
こうして振り返ってみると、私の仕事はガス管を主軸としていろいろな分野に携わることができ、若いうちから多くの経験を積むことができたと思います。それぞれの仕事内容は違いますが、まずは現場に出て作業員の人たちと仕事をできたこと、それがすべての原動力になっていますね。壁にぶつかった時、現場に思いを立ち返らせることで、様々なアイデアが湧き、課題を解決することができたとも思います。また、現場の人とは、目線を合わせるように努めてきたので、一緒に仕事を進め、一緒に達成感を味わう仲間意識も養えました。そういった意味では、東邦ガスの仕事を通して人として成長することも叶えられたのではないかと思います。
これからも、働く母親像を子どもに示しながら、周囲に頼られるスタッフになっていきたいですね。