

私には、仕事を通じて世の中を豊かにする手助けがしたいとう強い信念があり、この信念を会社選びの礎にしていました。実は私は、東邦ガスに入社する前に、証券会社で働いていたのですが、自分がそこで世の中を豊かにするイメージがわかない日々が続いており、もっと信念に合った仕事に就こうと決心して退職したのです。退職後、ちょうど東邦ガスが第二新卒者の募集を実施しているのを知って、インフラ関連の企業は、私の信念にもっとも近い位置にあると思い、応募しました。業界を大きくチェンジすることになりましたが、自分の信念が貫けるならと、自ずと不安もかき消されていきました。
入社後は財務部経理グループに配属されましたが、財務はかなり専門的な分野なので、実務と勉強を同時に進行させる毎日を送っていました。財務は会社を動かすために必要な資金をいかに無駄のないタイミングで調達していくかを計画します。ある意味企業のライフラインを担っていると言っても間違いではありません。それだけに日々の業務からは緊張感の強さが感じられますが、部内のムードは柔和なので、仕事は思った以上に働きやすかったです。
私が今までにもっとも力を注いだ仕事は、会社の不正業務の防止対策を示したマニュアルを制作することでした。これは2006年に不正業務防止対策を講じる制度が国に敷かれたため、急遽取り組むこととなり、その制作業務のメンバーとして選ばれたのです。国が初めて発令した制度ですので、東邦ガスとしても不正業務防止の仕組みをマニュアル化することは、当然初の試みでした。東邦ガスほどの企業規模となると、業務は多岐に及んでいますから、個々のマニュアルが相互に関連し合って全体として統一した機能を果たすように考案しなければなりません。一方で、抜け落としてはならない不正防止のポイントも盛り込むことも考慮しなければならないのですが、不正の抑制ばかりに的を絞ると、通常業務の効率性に悪い影響を与えてしまいます。バランス配分に注意して、何が会社にとって最も有効的な対策になるのかを検討しましたが、いろんな困難がありました。ひとつの対策ができたら、全体を俯瞰して眺め、体系的に策が構成されているかを検討し、より質の高いマニュアルへと昇華させるよう配慮しました。制作メンバーとコンスタントに協議し、仮説を立て、その検証を繰り返すなどして、一歩一歩業務の足取りを確認しながら制作を慎重に進めました。ときには社内外の人との折衝で、見識の相違から議論を交わすことになったりもしましたが、そこは私たちの見解が正しいことをいかにわかりやすく証明するかに徹しました。会社としても初めて取り組んだ不正防止対策のマニュアル制作は、前例も情報もなく提出期限も定められており、手探りで始めることになったのですが、無事完成に到達できたのは、粘り強く諦めずに仕事と向き合ってきたからだと思います。完成したマニュアルを顧問会計士に見てもらった際は、「他社と比較してかなり優秀」と賛辞していただき、苦労が報われた思いで嬉しかったですね。かつて存在しなかったマニュアルを新しく作ったという実績は自分にとって大きな誇りとなりました。
今はIR担当として投資家の方々へ企業の事業展望、経営成績、財政状況などをお知らせする広報業務の担当をしています。いい面だけでなく悪い面も包み隠さずお話し、東邦ガスの真実をお伝えしています。現段階では財務知識に関してはアドバンテージがあるのですが、他部署に関わる知識はまだ若干弱いので、これからは東邦ガス全体の事業の知識を吸収し、その上で財務・IRの業務に取り組みたいです。財務部の中でもスペシャリストな存在として自分の価値をより高められたらと思います。