
学生学部時代はずっと、金属を専攻し、特に将来の可能性を感じてアルミニウムに焦点を当てて研究をしていました。しかし、「だから金属分野」と安直には決めず、「働く意義がわかりやすい」ことを大切にして、就職活動を行いました。東邦ガスに焦点を絞ったキッカケは、修士1年目の夏に参加したインターンシップ。東邦ガスの研究所で実際に働いてみて、「こんなにいろいろなテーマの研究をしているんだ!」と感激したからです。発電とか燃料電池の研究がメインだと思っていたけれど、シミュレーションや基礎研究をやっていたり、お客さま先に出向いて実証試験をしたりと、さまざまな研究内容があることを初めて知ったのです。
ところが、ほかのエネルギー関連の会社を見てみると、同じように研究に力を入れているところがあまり感じられなかった。自分が学んだことを活かせる研究も、なかなか見つからない。「だったら、東邦ガスじゃないか」と自然に思うようになりました。
今は、自動車部品などをつくる際に使う『工業炉』を加熱するバーナーの開発を担当。ひとつの新製品に、早いもので2~3年、長いもので5年くらいかけています。
3年前に入社してから関わったものがちょうど昨年、発売されました。前任の方から引き継いで、合計7年かかった『リジェネバーナー』という特殊な高効率バーナーです。今までのものと比べて効率が高く、排出されるNOxは半分以下、と環境に優しいのが特徴。
そして現在は、アルミニウムを融かしたり、融けたアルミニウムを保温しておくバーナーを開発中。最初から開発に携わっていて、2011年中か2012年までに商品化する目標です。この製品は、従来は電気ヒーターがまかなっていた分野にガスが参入する、というチャレンジ性の高い製品。高い温度を出す工業炉の分野では、電気よりガスの方がCO2が減ったり、燃料代が安かったり、というメリットがあるのです。お客さまのニーズや営業部門からのオーダーに応えるものを提供すべく、日々、奮闘しています。
お客さまのニーズを満たすべく研究開発をするのですが、私はいつも、お客さまが望むスペックよりかなり高い基準を想定して開発をスタートします。1.5倍とか、2倍とか、かなりのハイスペックにトライするのです。お客さまの要望をクリアするのは当たり前。さらにその上を提供してこそ、より大きな喜びを提供できるからです。ただし、私たちが大事にすべくは、効率やコスト減だけでなく、「安全性」。スペックを高くすることで安全性を確保できなくなっては本末転倒です。安全でありつつ、より高い能力を。研究所のプライドをかけて、そこを追い続けている気がします。
今の部署は、希望して入ったところ。現在はバーナーの研究開発ですが、今後は、例えばエンジンとか、燃料電池とか、新エネルギーの研究もしてみたいですね。その中で知識・経験を幅広く積んでいきたいです。私たちの使命である「常にお客さまが望むスペックの上を狙う」ためにも、一分野の専門家ではなく、ダブルメジャー、トリプルメジャーとなるべく、自分を磨いていくつもりです。