

「涼厨」は業務用厨房分野の製品です。その名の通り「涼しい厨房」環境を実現するもの。
飲食店などの多くでは従来、ガスで調理されることが一般的でした。しかしガスの裸火や調理中に機器の表面温度が上昇するなど、様々な原因が相まって厨房環境は「暑い」というマイナス面がありました。
そこで厨房機器の表面温度を65℃以下に抑え、排熱を集中排気するなど極限まで暑さの原因を排除。結果、ガスを用いながらも涼しく快適な環境で調理できる「涼厨」が生まれました。電化厨房が涼しい・クリーンというPRを打ち出す中で、全国のガス事業者でネットワークを組み、ガス厨房の切り札として約4年前から販売促進活動を進めています。

当初はガス厨房メーカーの方と接点がほとんどない状態でした。しかも、厨房メーカーから「ガス厨房は暑い」と強調される始末…。そこで組織的に「涼厨」を販売する体制を構築する必要性を痛感、何より東邦ガスと厨房メーカーがタッグを組む必要があると感じ、まずは厨房メーカー向けにガスに関する問い合わせ窓口を用意しました。同時に情報交換会を開催し「涼厨」のメリットや提案のポイントを共有。徐々に「涼厨という選択肢」の意識を持っていただけるようになりました。

業務用厨房を利用するお客さま件数は約25,000件。飲食店だけでなく病院の厨房、社員食堂と業種も多種多様。当初は販売店のENEDOなどを通じて個別に営業を進めてきましたが、なかなか多くのお客さまに「涼厨」を理解してもらうことが容易ではありませんでした。
そこで、個別営業と同時にマスプロモーションをしっかりやろうということになりました。具体的にはCMの放映や業界紙への出稿、ダイレクトメールなど。
同時に大手居酒屋チェーンへ涼厨の採用を積極的に働きかけており、テストケースとして既存店に導入が決まりました。その結果「厨房環境が格段に良くなった」「やけどや怪我の心配がない」などの高い評価を頂き、その他数十件の既存店全てで順次入れ替えていこうという大型受注につながりました。
こうした実績をしっかりとPRしていこうと思い、居酒屋チェーンのトップインタビューを掲載した事例紹介パンフレットやショールームやフェアで使用するプロモーション映像を制作。徐々に営業現場からの問い合わせが増えるようになり、「涼厨」が確実に認知されている実感を持てるようになりました。

営業担当は勿論、販売員、厨房メーカー、エンドユーザーと「涼厨」に関わる多様な人たちの視点も異なれば要望もそれぞれ異なります。私自身、入社当初は営業担当として厨房メーカーや外食チェーンのお客さまへ販売活動を行っていました。当時の営業の経験や厨房メーカーとのやりとりを通じて、お客さま本位の視点を持ちつつ「この商品をどうPRすべきか」を考えることができた点が大きかったように思います。
商品として幾ら良い商品であっても、そう簡単に売れる訳ではありません。お客さまの使い勝手やコストについて説明を尽くしてようやく納得いただく。その積み重ねが営業の自信に繋がり、提案の勢いが加速していったように思います。

発売から約4年が経ち、当初の目標台数を少し上回る勢いで導入頂いています。しかし業務用厨房をご利用になるお客さま件数は約25,000件。まだまだPRや営業活動が必要です。自然とお客さまが「涼厨」を選択いただける環境づくりに努めたいと思います。何より体験していただくのが最も強力なPR。ショールームなどを通じて実際に体験してもらう機会を多く用意し、認知度の向上だけでなく効果を伝える取り組みに注力したいですね。
エネルギーや資源について意識的な方が昨今多くなってきているように感じますが、「涼厨」を導入することで厨房内が涼しくなり、結果空調設定温度も変化します。またこれまで概念的にしか説明できなかった「涼厨」の効果も当社の技術研究所と協力して、導入前後の厨房環境のシミュレーションを提示できるなど、より深い提案が可能になりました。
よく「ガスで作った料理はうまい」と言われています。ひとつでも多くの施設で「食べれば分かる、美味しいのはガスだよね」と言っていただけるようになりたいですね。